NEETとは
「働いてもおらず、学校、あるいは職業訓練のための機関に所属もしておらず、仕事を探す活動もしていない人」
のことで、学校を卒業し、未婚者の15歳から34歳の人たちのことを指す。

フリーターはNEETではない。また、仕事をする気はあっても、求職活動をしていなければNEETにあてはまる。
求職もしないので失業者としてもカウントされずつかみどころのない存在


NEETには四つの型がある。(労働政策研究・研修機構副統括研究員の小杉礼子先生の分類)

   Tヤンキー型
         反社会的で享楽的。「今が楽しければいい」というタイプ
   Uひきこもり型
         社会との関係を築けず、こもってしまうタイプ
   V立ちすくみ型
         就職を前に考え込んでしまい、行き詰ってしまうタイプ
   Wつまずき型
         いったんは就職したものの早々に辞め、自信を喪失したタイプ

NEETとは??
NEET・・・Not in Employment, Education or Training の頭文字をとって英国で名づけられた。

NEETに対してよく使われているのが「働かない若者たち」という言葉。NEETは親と同居など、親が生活費を負担している。NEETは働かずに毎日遊んで暮らしていると想像するに違いないし「いい年をして親のすねをかじる」といういい方で批判されることが多い。

□彼らは「物欲」が薄い。しかし、NEETでいられるというのは食べていけるだけの生活環境がある上での
  ことのため「甘え」と非難されることも多い。
□「NEET」の人たちは「生真面目」「コミュニケーション下手」が多い。学力の高い人たちもたくさんいる。
□真面目すぎるため、あれこれ考えすぎ必要以上のプレッシャーを感じ、行動ができなくなってしまっている。



現代はメディアやインターネットの発達で、いつでもどこでも簡単に情報を手に入れることができます。しかし、逆に情報が多すぎて、どうしたらいいのか分からなくなってしまう。情報によっていろんなものへの興味の幅は広がるが、それぞれが中途半端になってしまい、自分を見失ってしまう。

また、実力主義が叫ばれ、終身雇用の神話も今は昔の話し。世の中キャリアアップという言葉が飛び交い、「自分らしく生きる」という抽象的なメッセージも。自分の本当にやりたいこと、やりがいの感じられる仕事をしようというメッセージ。そうすると「自分にも何か人にはないものがあるはずだ」とか「人とは違う人生を歩みたい」という風に考え、自分の状況に対し「これは違うのではないか?」と違和感を感じ、悩んでしまう。かといって、本当に自分がやりたいことがはっきりしているわけでもないので、結局身動きがとれなくなり、結果「NEET」となってしまう。


こうした若者たちの再出発を支援するため全国各地に、さまざまな施設がある。
職業体験の機会を設ける、ボランティアに参加する、寮のようなところで集団生活を通じ、コミュニケーション能力を高めるなど、NEETの最も苦手な部分をフォローしてくれます。本当に働く気がないならそういった施設には来ないわけですし、来るということは施設の利用を通してで何かきっかけをつかみたいということでしょう。
彼らは「働かない」のではなく「働けない」のだ。



非営利活動法人「育て上げ」ネット理事長 工藤啓 さん

フリーターになれないが引きこもりではない人、気が弱いとか、内気とか、一歩踏み出せない人がNEETにあたるのかなと思います。本当に就労の意欲がない人はここ(「育て上げ」ネット)に来ないわけですし、来るということは何か可能性を求めている、来ることで何か起こらないかなと。

今の正社員で働いている50代、60代の方が今の20代に戻ったら、当時と同じ状態で就職活動しても単純に3分の1は落ちます、それは労働市場の問題があるからです。そういう状態に自分が陥ったときに、就職試験に受からなくて、40社も50社も落ちてしまった結果、フリーターをせざるを得ない状況になってしまったら、同じことが言えるのでしょうか?時代が変われば就職のあり方や生き方も当然変わりますが、それなのに変わった中に旧来の意見や価値観の押し付けをすると、若い世代はひねくれるのが当然じゃないかな。人の生き方自体は変わっていない、時代が変わったことを認識出来るか出来ないかの問題で大人個人の資質が問われていると思いますし、時代の流れを読む能力が必要だと思います。

紫苑の個人的感想

NEETというのは「体より頭が先に動く人」ではないかなぁと思います。何かをする前にいろんなことを考えてしまう・・・。悪く言えば理屈っぽい。
確かに自分の立場、仕事など、100%満足している人なんていないでしょうし、今の仕事が「ずっとやりたい仕事だった」と言う人は少ないと思います。それが現実だということもわかっていながらも「なぜこれをしなければいけないのか?」というある意味哲学的な領域に入っているような気さえするのです。

テレビで最近上海にNEETが増えていると伝えていました。上海では「貴族児」と呼ぶそうです。中国の一人っ子政策で、子供を溺愛する家庭が増えたこと、またプライドが高く、仕事の選り好みが激しく、また親もそういった仕事を子供にさせず、家にいさせるということでした。

もちろん、明日食べる食事もないという時代には考えられなかった現象ですから、年配者のお怒りはごもっともなことです。しかし、そういうことも含めてすべてNEETは分かりながらも身動きが取れないのでなないかと思います。
逆にこういう人たちは生真面目ですから、自分のフィールドが見つかれば水を得た魚のように、生き生きと意欲的に動くことができると思います。また、普段から自分についてやいろいろなことを(過剰な心配も含めて)考えていますから、本当にちょっとしたきっかけで前へ進めるものだと思います。

少なくともNEET=働かない(遊んで暮らしている怠け者)という一方的な非難はやめてほしいなぁと思います。